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家探しの記録#2

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ぼくは性能重視で家を探しているのですが、そこでよく悩んだので記録を残しておきます。

断熱材

断熱材。いろいろあります。どれがいいのか悩みます。個人的にどの素材がどうなのか調べた結果を参考程度に記録します。

結論

金があるならセルロースファイバー。

低コストで性能を求めるならウレタンフォーム。

繊維系断熱材

繊維系全般に言えることですが、充填式の断熱材は施工の良し悪しの影響をモロに受けます。施工のレベルが低いと、最初から隙間があったり、経年で水分を含んで沈下したりします。繊維系の断熱材は吸音効果があり、防音性能や音の反響を抑える効果があります。

透湿抵抗が低く、壁内に水分を通しやすいため、それを外部に放出する構造がきちんととられていないと、壁内結露を起こして壁内がカビたり、木造の場合は木材が腐ります。その代わりに調湿効果があり、乾燥した時期には湿気を放出し、湿った時期には湿気を吸ってくれるので、空間は快適になります。ちなみに調湿効果については床材や壁材で対策したほうが圧倒的に効果的です。

元々パックに入っているものを嵌め込むだけの嵌め込み式は絶対にやめましょう。

グラスウール

ガラス繊維を充填させるタイプの無機質繊維断熱材で、大手メーカーでは割と採用されていたりします。コストが最も抑えられる素材で、低コストで立てたい時以外は特に選ぶ理由はありません。火がついた時に燃えにくく、最近ものは接着に澱粉由来のものを使っているので有害物質も出ないそうです。

ロックウール

鉱物を素材としてできた無機質繊維断熱材です。扱っているところが少なく、コスパも効果もイマイチなので、これが比較に上がってくることはあまり無いです。おそらく湿気を含んだ場合に1番沈下するリスクが高い素材。

セルロースファイバー

古紙などを素材としてできた天然繊維断熱材で、グラスウールの上位互換です。燃えやすそうに思えますが、炭化するだけで燃えません。段ボールハウスでそれなりに暖かいことを考えると、セルロースファイバーの断熱性能は疑いの余地もないところです。吸音効果も凄まじく防音性能が飛び抜けています。ただし、施工できる業者が少ない、単価が高い、壁の厚みがそれなりに必要、とハードルが高く、値段が高くつきます。施工が100%しっかりしていると仮定した場合、予算に余裕がある人はこれを選べば間違い無いと思います。

発泡プラスチック系断熱材

発泡プラスチック系は透湿性が低く壁内に湿気を通しにくいです。反面、少しでも湿気が来てしまうと調湿できないため、即、壁内結露になってしまいます。この断熱材を選ぶ場合は、床材や壁材で湿気対策をしておくのが個人的にはいいと思います。

ウレタンフォーム

吹き付けといって、現場でスプレーみたいなので液体を吹きつけたところから化学反応が起きてモコモコと発泡プラスチックの層が出来上がるような断熱材です。モコモコとできるので、細かい隙間にも入り込み、機密性能を確保しやすいというのが特徴的です。断熱性能は申し分なく、懸念点を挙げるならば、吸音効果が低く、機密性が高いため、部屋の内部で音が反響しやすいです。気になる方は布クロスを採用するなど吸音効果のあるものを使って対策することをお勧めします。あとは現場で膨らむため、厚さが均等ではなく、断熱性のムラができます。多くのメーカーの場合、最低限の厚さという基準を設けているので、ムラによって性能が極端に落ちるという心配はあまりしなくてもいいんじゃないかなと思います。ただし、膨らみすぎたところはカットするので、そこに水分が来てしまうと断熱材内部に入り込んでしまい、放出が困難になるため、カビたり、化学反応を起こしてしまう場合があります。採用する場合は湿気対策をしましょう。

ポリスチレンフォーム

工場でパネルを作って現場ではめ込むタイプの断熱材です。正確なカットにも限度があるため、比較的に隙間ができやすく、機密性を確保しにくいです。ただし、メーカーによっては隙間をウレタンフォームで塞いでくれるため、そこはあまり心配しなくてもいいかもしれません。吹き付けと比べた時の利点は、厚さが均等なので、施工による部分的な断熱性能の差が生まれにくいところで、欠点は接着されているわけではないので、地震等でズレる可能性があることです。ズレると場合によっては隙間ができます。

その他

繊維系もプラスチック系もそれ以外もいくつかあるんですが、検討してないので調べておらず、割愛。相当のこだわりがない限りは上記の中から選ぶことになると思います。

住宅性能

現在の日本の推奨するZEHという仕様があります。これは Zero Energie House の略で、要はエネルギーを自給自足できる家を建てましょうという話です。これを実現するために性能の良い家を建てて、光熱費を抑え、少量に抑えた必要な電気はソーラーパネルで自家発電しましょうねという話なので、聞いた限りだとこの仕様になっている家は高性能だと思いますよね?しかし、この仕様の性能、そんなに高性能じゃないです。現在はそれよりも上位のHEAT20と呼ばれるものがあり、G1、G2、G3があります。

ZEHレベルの性能とHEAT20の最下位グレードであるG1を比較しても、空調なしでの温度差は1~2℃ほどあり、冷暖房効率は30%ほど差があります。温度差は空間の快適さや健康面に影響し、冷暖房効率は光熱費に影響するので軽視できません。ZEHという言葉に騙されないよう、もっと高性能な家が普通に存在することを知っておくといいと思います。

ちなみにZEH基準のUa値は0.60以下で、G1が0.56、G2が0.46、G3が0.26以下です。数値比較の目安にどうぞ。

G1相当の断熱性能があると冬場10℃を下回らないので、寒すぎてどうにもならないということは避けられそうです。

建築基準法

建築基準法ではUa値や耐震等級などの最低限の値は設定されていますが、機密性を示すC値の設定はありません。なので日本にはスッカスカの冷暖房が全く効かないような家が山ほど存在しているらしいです。

ZEHもそうですが、C値についての記載がないため、ここの値は軽視されがちです。C値が悪いと隙間から外部の空気が入るために冷暖房の効率が下がったり、花粉やPM2.5などが屋内に入り込んだりするそうです。また、最近は全館空調が搭載されることが多いようですが、これの換気効率が極端に下がります。

性能数値

Q値

熱損失係数。家の中から熱がどのくらい逃げるのかを示した数値で、小さければ小さいほど高性能です。換気が考慮されているため、換気システムに何を採用しているかが大きく影響します。壁の断熱性能値として比較するにはイマイチであり、この値を計測しているところがほとんどないため、この値で比較することはありません。

Ua値

外皮平均熱貫流率。家の壁や屋根がどのくらい熱を通すのかを示した数値で、小さければ小さいほど高性能です。断熱材や窓を高性能にすればするほど良い結果が出ます。0.5以下を出していると及第点、0.3を切っていると温度的に快適な家になります。

C値

相当すき間面積。家の中に、空気が通れる隙間がどれだけあるかを示した値で、小さければ小さいほど高性能です。換気口などは塞いだ状態で計測するため、換気システムのあるなしは影響しません。1以下であれば及第点、0.5を切ると高性能と言えます。換気システムを採用する場合、0.5を上回ると、換気強率が極端に下がります。C値が低いと、断熱材が機能しないだけでなく、外部の花粉等が入り込む原因になったり、壁内結露を起こす原因にもなるため、最も意識した方が良い数値です。

C値は高いに越したことはないのですが、機密性が高くなると圧迫感のようなものを感じて不快になる人もいるそうなので、実際に体験しておくといいと思います。

外壁・屋根・床

外壁

予算に余裕があればタイル

長期間メンテ不要なので長期的に見ると一番いいです。

屋根

予算に余裕があれば瓦

長期間メンテ不要なので長期的に見ると一番いいです。

予算に余裕があれば 無垢床 > 挽き板 > 突き板 = シート

細かなメンテナンスは必要なんですけど、小さい傷とか凹みは汚れは削ってワックスで修復できるかつ、肌触り良くて、暖かいです。床暖房入れるなら挽き板がいいかも。対応している無垢床もあるらしいけど、大体は非対応。メンテ必要って言っても素足で生活してれば足の脂で勝手にメンテナンスされるらしい。汚い。

突板にするくらいならシート系のフローリングでもいいかも。それ以外は金持ちの娯楽かなぁ。

内装

好きにやれ。

外壁・屋根・床は予算に余裕があればより良いものを選んだ方がいいと思うけど、この辺は住んでみんとわからんから今の段階ではなんとも言えんかなぁと思います。

内装は気に入らなければ後で買い替えればいいので、予算のあまりでいい感じにしてくくらいでいいと思います。ただしダウンライトとか、後で修正しにくいものはちゃんと悩んだ方がいいです。その辺りの良し悪しはまだわかっていない。