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ライト層リアタイ世代(≒ただのアラフォーおっさん)シンエヴァンゲリオンの感想(がっつりネタバレ)

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今北産業

ただのライト層のリアタイ世代のオッサンがシンエヴァンゲリオン見てきたら、想像以上に感動して2度泣いてしまった。 気持ちの整理のために以下に感想を書く。 ミサトの成長とゲンドウのピュアラブの2点で号泣した。

ミサトの成長物語

序破Qを立て続けに見て復習した後に劇場版の鑑賞に臨んだのですが、前二作の序破でとにかく「ミサトの精神的不安定さ」が気になって仕方なかった。 TVシリーズを強引に数時間にまとめたダイジェスト版だから仕方がないのでしょうけど、エバに乗れと言ったかと思ったら直後にエバから降りろと言ったり、情緒不安定さが凄く際立ったんですよね。これは、完全にワイがおっさんになった証拠とも思う。だってミサトはもう年下だもん。 がしかし、14年経ってヴンダーの艦長になった後半2作では、メチャクチャ精神的に成長してるんよね。 なのでこの四部作、ワイから見たら完全に「ミサトの成長物語」に映るんよ。 で、最後に艦長としての責務を果たすために死ぬ訳で。ここで、完全に涙腺崩壊した。マジで号泣した。アラフォーのオッサンが。

碇ゲンドウに思いっきりシンパシー

最後、これは殆どの人が予想していことだと思うけど、ゲンドウの最終目標は「ユイに会う」ただ一つであって、人類補完計画は単なる手段に過ぎなかったことが明かされる。 殆どのファンが期待した王道の筋書きで安心して見れたと同時に、ゲンドウのユイに対する一途さがジーンときた。 中学生の時にこれみても何も思わんよ。でも、オッサンになって結婚して嫁さん持ってから、これ見せつけられるとシンパシー感じざるを得ない。そして、13号と初号機、即ち、ゲンドウとユイが槍で心中みたいな事するシーンでね、二回目の涙腺崩壊。

まとめ

庵野さん、オッサンになったリアタイファンがきちんと感動出来るように色んな工夫をしてくれたんだなぁと。 この点、本当に有難うございます。

追記その1(ラスト20分について)

ラスト20分ほど、映画のセットから一人ずつ退場していく様子は、映画の枠をメタ化して超越した「庵野さんから観客に対するラストメッセージ」だと感じた。 「4半世紀にわたる広げ過ぎた風呂敷、きちんと畳みますよ」という庵野さん自身からの観客に対する強いメッセージ。 だから、塗り前のセル画や絵コンテでの演出になったんだと思う。庵野さんからすれば完成版セル画よりも、何百倍の時間、対峙してきたのはこれら塗り前セル画や絵コンテなので。 庵野さん自身の視点にたった表現を最後に持ってくるのが、チルドレンたちに対する「成仏作業」と感じた。

追記その2(宇部新川駅のシーン)

そして、最後の最後のマリと大人シンジの「宇部新川駅」のシーン。 さっき知ったんだど、宇部市は庵野さんの故郷らしいね。

「あぁ、庵野さん、自信をシンジに重ねたんだ」と思った。

アニメータしてなかったら地元の宇部でサラリーマンしてたはずというパラレルワールドが、庵野さんにはあったはずで。 それをシンジに仮託して表現しているんだと理解した。

追記その3(髪の伸びた綾波レイ)

最後の最後、髪の伸びた綾波レイが「つばめ」の人形を抱いて出てきた。

この「髪の長い、つばめ人形抱いた綾波レイ」は

・髪が伸びているのは「破の最後で助けようとしたレイが、果たして14年生きていた」ということを示し(そのために、わざわざアスカの髪を切るシーンが劇中挟まれていると理解)、

・さらに、劇中途中で死んでしまった「田植えレイ」の人格をも融合した存在である

と理解した。レイを一人残らず救済しているところに一視聴者として安心した。

追記その4(マリの存在の必要性)

かなり謎が多すぎて、ライト層の自分には、細かいところは全然理解できていない。 でも、劇中での役割の一つは理解できた気がする。 すなわち、「アスカ」と「レイ」がパラレルな存在であることを語るための「語り部」としての役割と認識しました。

ライト層なので本当に細かい世界設定分かってなかったんだけど、「アスカ」も複数対作られていて、その生き残りなんですね。そいう言う意味で、レイと全く同じ立ち位置の存在。 テレビ版だとそういうの一切感じなかったけど、もしそうであるなら、「アスカ」も「レイ」と同じ位置づけであることを説明するための語り部が必要かと。 それが(なんか色々なものを超越した存在である)マリなんだなぁと。(ちなみに漫画版も一切読んでいないくらいのライト層の感想です)

追記その5(2時間半の使い方)

特に「序」と「Q」で顕著だったんだけど、ストーリーをすごく駆け足で畳みかけているところがあってチョットしんどかったんです。

でも「シン」は、2時間半の前半(多分一時間以上)、田植えですごく緩く描いてくれた。 ゆえに、後半のバトルシーンとの緩急がしっかりしてて見てて疲れなかった。

あの映画を私なりの価値観で大別すると

・第三村の緩

・最終決戦の急

・庵野さん視点による視聴者への語り掛け(チルドレンの成仏)

の3パートなのかなぁと思いました。

以上です